選手会は現役ドラフト制度を要望
現役ドラフト制度はジャイアンツ選手にとってプラスか
現役ドラフト制度とは
現役ドラフトとは、出場機会が少ない選手が他球団への移籍で出場機会を増やすことが目的の制度。
つまり、レギュラー選手がいるために、実力はあるのに出場機会が少ない選手を、選抜して出場機会が見込まれるチームにトレードするもの。
通常のトレードが対象の2チーム間の話し合いによって行われる
過去にも、70年代および90年代に「選抜会議」は実施されているが、あまり機能しなかった。
機能しなかった理由として、選手会は『プロテクト(獲得できない選手)の人数』と認識している。
今回の要望では、対象選手は球団のプロテクト枠外ではなく、1軍登録日数の少ない選手とする案を提出している。
入団年数ごとに1軍登録日数の下限を設けて、登録日数に満たない選手をすべて対象にするというものらしい。
過去の「選抜会議」
野球協約第14章には「選抜会議」が定められており、過去には現役選手の選抜(ドラフト)でのトレードが行われている。
トレード会議
1970年から1972年までの3年間に、「トレード会議」と呼ばれる選抜会議が実施されたそうだ。
指名は、ウェイバー方式つまり、すべての巡目で直前シーズンの最下位チームから指名する。
すべて金銭トレードで、
- 1巡目は、指名選手の年俸+200万円
- 2巡目は、指名選手の年俸+100万円
- 3巡目以降は、指名選手の年俸のみ
となっていた。
1回目のトレード会議では、1巡目、2巡目ではほとんど指名がなく、1名のみの指名。
3巡目以降は指名されるようになり、合計で13人が指名された。
2回目、3回目も指名は低調で、その後会議は行われなくなったようだ。
この3年間で、他球団からジャイアンツに移籍したのは次の4人で、
- 阿部成宏(大洋から)
- 内田圭一(ロッテから)
- 鏑木悦純(大洋から)
- 藤田賢治(大洋から)
ジャイアンツから他球団に移籍したのは、次の3人である。
- 佐藤政夫(ロッテへ)
- 阿部成宏(近鉄へ)
- 矢部祐一(大洋へ)
阿部成宏選手は大洋から入り、2年後に近鉄に出ている。
対象選手は各球団が保有する選手の20%、つまり80%の選手がプロテクト枠ということになる。
当時は年金制度の理由から、事実上は打撃投手やブルペン捕手も支配下登録されており、リストアップされていたことも要因みたいだ。
セレクション会議
1990年と翌年には「セレクション会議」という選抜会議が実施されている。
1回目は3件のトレードが成立し、2回目は2件のトレードが成立したそうだ。
その後、1998年ごろまで非公開で開催されたようだが、現在は休眠状態とのこと。
ジャイアンツ選手のトレードは、調べた限り行われていないもようだ。
1回目は、1軍と入団3年未満がプロテクトされ、それ以外から移籍を希望した20人が対象。
2回目は各球団60人がプロテクトされ、希望した40数人が対象だったよう。だ
選手会が言っているように、プロテクト人数が多くてドラフト対象者に良い選手がいなければ活発な指名は行われないだろう。
トレードの成功事例
最近の通常のトレードの成功としては、巨人から日ハムに移籍した大田選手がいる。
5日の北海道日刊スポーツ1面は日本ハム。巨人から交換トレードで新加入した大田泰示外野手が、栗山監督から壮大な4番奪取指令を受けた。長打力をアピールポイントに掲げた右の大砲に、指揮官は中田から4番を奪うことを指令 pic.twitter.com/Ys9jBt3Iwz
— ふくださん (@fukudasun) 2016年11月4日
大田泰示外野手・公文克彦投手と、吉川光夫投手・石川慎吾外野手の2対2のトレードだった。
ここ数年、巨人と日ハムのトレードは頻繁に行われているが、その理由は何だろうか?
ひとつ言えることとしては、巨人にはなかなか出場できない選手、いわゆる飼い殺しの選手が多いのは否めない。
逆に日ハムは、飼い殺しをしないことを戦略として選手と契約しているチームであり、マッチすることが多いのではなかろうか。
また、昨年オリックスから移籍した伊藤光捕手も本人にとっては嬉しいトレードだったようだ。
オリックスからトレードで加入した伊藤、赤間が入団会見
— ベイスターズ情報@サンスポ (@sanspo_baystars) 2018年7月11日
背番号は伊藤29、赤間49
伊藤「ルーキーのように一生懸命やりたい」
赤間「新しいチームで全力で腕を振って投げたい」 pic.twitter.com/L261zEalkb
2017年は100試合以上に出場するも、出場選手登録を抹消され全くの出場機会を失っていた(7試合出場)18年途中でのトレードだった。
本人は移籍の話を聞いて、ガッツポーズをして喜んだという話である。
DeNA移籍後はすぐに出場機会を与えられて47試合に出場した。
選手会とNPBの折衝
まとめ
現役ドラフトは、他球団が欲しがる選手が対象となるかどうかということと、その中で移籍を希望する人がどれだけいるかが課題となるだろう。
大リーグでは、高い年俸を得るために、必要とされる球団への移籍が活発に行われている。
しかし日本では、活躍している選手は移籍しないのが普通であり、トレードはあまりイメ―ジが良くない。
特に球界の盟主巨人軍の選手にとっては、移籍したくない選手もいるのではないか。
現役トレードが実現するかどうか分からないが、実現したときに移籍希望を出す選手はどれだけいるだろう。
それとも、選手の希望がなくても対象選手になるのだろうか。
出場できるのであれば、他球団に移籍したほうが選手にとっては良いことは間違いないのだが。